シャープのフィーチャーフォン(ガラケー)である「SH-07F」をドコモオンラインショップから、電話専用端末として購入しました。
今回は、スマートフォンに登録されているアドレス帳をフィーチャーフォン(ガラケー)「SH-07F」に移行する手順を記載していきます。
単純に電話番号のみを移行する場合は、Gmailの「連絡先」を「vCard 形式(*.vcf)」でエクスポートするだけとなりますが、グループ分けしている場合は反映されません。
せっかく分けてあるグループをフィーチャーフォン(ガラケー)側にも反映させるため、「Google CSV 形式」でエクスポートし、「vCard 形式(*.vcf)」に変換する手順を取りたいと思います。
フィーチャーフォン(ガラケー)とスマートフォンとの2台運用により月額料金を抑える計画については、別記事にてまとめてあるのでご覧ください。
目次
スマートフォンで使用していたアドレス帳をCSV形式でエクスポート
使用しているスマートフォンはAndroid端末であり、アドレス帳などはGmailの「連絡先」と同期しています。
登録件数が500件近くとなっていたので、この機会に不要なものなどの整理をまとめて行うべく、CSV形式でエクスポートし、整理するところから始めました。
CSVへのエクスポートはGmailにログインし、「連絡先」を開きます。
「もっと見る」を展開すると「エクスポート」が表示されます。
「以前の Google コンタクトからエクスポートしますか?」と確認が表示されるので、「以前のコンタクトを開く」をクリックします。
「その他」から「エクスポート」を開き、「すべての連絡先」を選択し、「Google CSV 形式(Google アカウントへのインポート用)」を選択し、「エクスポート」をクリックするとCSVファイルが保存できます。
CSVファイルの編集
エクスポートした「Google CSV 形式(Google アカウントへのインポート用)」のファイルは、テキストエディタやExcelなどの表計算ソフトで編集することが可能です。
変更や削除の必要がない人はこの手順を実施する必要はありませんし、Gmailの連絡先でひとつずつ編集していっても問題ありません。
CSVを編集した場合は、Gmailの連絡先に改めてインポートしておくと、スマートフォン側とフィーチャーフォン(ガラケー)側で同期がとれて良いのではないでしょうか。
「Google CSV」を「vCard 形式」に変換
ダウンロード、編集した「Google CSV」をフィーチャーフォン(ガラケー)のアドレス帳形式「vCard 形式」に変換するため、「みーのぺーじ」で公開されている「Ggl2k」という変換スクリプトを使用しました。
便利な変換スクリプトを用意していただいた「みーさん」に感謝申し上げます。
Ggl2k概要
Gmailのアドレス帳を携帯電話(ガラケー)のアドレス帳データに変換するPythonスクリプトです。
Gmailの連絡先で作成していたグループを反映させるため、スクリプト「ggl2k.py」の最初の部分にある
taglist=["Family", "Friends"]
という部分を変更する必要があります。
taglist=["家族", "友達", "会社", "同僚"]
などと、Gmailで作成していたグループ名にあわせて変更しておいてください。
ダウンロード、編集した「Google CSV」ファイルの名前を「google.csv」にして、スクリプトを動かすと、「YYMMDD**.VCF」というファイル(例:15060800.VCF)が作成され、フィーチャーフォン(ガラケー)側のアドレス帳となります。
フィーチャーフォン(ガラケー)SH-07Fにアドレス帳を反映
フィーチャーフォン(ガラケー)SH-07Fにアドレス帳を反映させるために、microSDにデータを保存して行いたいと思います。
まず、スマートフォンなどのように好きな場所に保存したファイルを自由に選択できるわけではなく、決められた場所にファイルを設置しないとデータを読み取りしてくれません。
SH-07Fの場合は「SH-07F 取扱説明書(詳細版) P.316」に記載されている「microSDカードのフォルダ構成」に従う必要があります。
「インポート」ではグループが反映されません
下記のインポートを行うと、名前や電話番号などはインポート可能ですが、グループのみ反映されません。グループを反映させるためには次の「バックアップの復元」を参照いただき、「インポート」は参考程度に参照してください。
データをインポートするためには、microSD直下から「PRIVATE」 – 「SHARP」 – 「IMPORT」とフォルダを作成し、「IMPORT」フォルダに先ほど作成した「YYMMDD**.VCF」というファイル(例:15060800.VCF)を保存します。
microSD – \PRIVATE\SHARP\IMPORT
microSDをSH-07Fにセットし、「MENU」→「便利ツール」→「microSD」→「インポート」→「電話帳」と辿っていくと、「YYMMDD**」が表示されていると思います。
「サブメニュー」から「本体へコピー」を実行すると、アドレス帳が登録されています。でも、グループ設定は反映されていません…
あらかじめグループを作成してからインポートなどと、いろいろ試行錯誤してみましたがうまくいきません。また、SH-07F側でグループを設定したアドレス帳をmicroSDにコピーし、再度インポートしてみてもグループは反映されませんでした。
見落としがあるのかもしれませんが、インポート以外の方法で挑戦してみます。
「バックアップ」データによる復元ができるか
SH-07Fのメニューを眺めていると、「microSD」の中に「バックアップ/復元」というものが存在します。この機能はアドレス帳だけでなく、メールやブックマークなどのデータや設定をバックアップ・復元できるもののようです。
データを一括してバックアップ/復元:「SH-07F 取扱説明書(詳細版) P.322」
バックアップからアドレス帳を復元することで、グループ設定を含んだデータが復元できるかのテストとして、まず、SH-07Fで適当にアドレス帳データを1件作成し、グループ設定も行ってからバックアップします。
次にSH-07Fのアドレス帳を全削除し、空の状態にします。
そして、microSDに保存されたバックアップデータを復元すると、見事にグループ設定を含んだデータとなりました。
その後、バックアップデータを手動で編集し、適当なグループ名を付けてみても問題なく復元できることがわかりました。
バックアップデータも「vCard 形式」であるため、先ほど作成したデータがそのまま流用できそうなので、試してみましょう。
「バックアップ」データからアドレス帳復元成功!
バックアップを実行すると、データはmicroSDの次の場所に保存されています。
microSD – PRIVATE\DOCOMO\BACKUP\SD_PIM\ADDRESS\ADDRESS.VCF
「ADDRESS.VCF」は「vCard 形式」のデータとなり、テキストエディタで編集できるので、中身をみてみると先頭のデータはユーザ自身のプロフィールデータが設定されるようになっています。
ただし、バックアップ時に問い合わせられる「プロフィール情報をコピーしますか」に「いいえ」を選択すると、項目のみ存在しデータは空の状態になっています。
この先頭にあるプロフィール情報はアドレス帳には取り込まれることはありませんが、存在しない場合は取り込みたいデータの先頭データがプロフィール情報としてカウントされてしまい、本来のアドレス帳全件数から1件少ない状態となってしまいます。
つまり、取り込みたいデータが「A」「B」「C」「D」「E」の5件だとすると、そのまま復元してしまうと、「B」「C」「D」「E」となってしまい、「A」が取り込まれない状態となります。
これを防ぐため、復元するデータの先頭にダミーを設定し、「ダミー」「A」「B」「C」「D」「E」とする必要があるということがわかり、バックアップデータを編集してアドレス帳を復元できることがわかりました。
復元用データの作成
※アドレス帳復元の作業の前には、携帯内のデータをバックアップしてから作業してください。下記の手順に従って作業した結果、万が一、データが破損した場合でも自己責任となりますのでご注意ください。
それでは、実際に復元用のデータを作成してみましょう。
先だって作成している「YYMMDD**.VCF」というファイル(例:15060800.VCF)をテキストエディタで開き、先頭部分にダミーデータを加える必要があります。
データの先頭に置くダミーのデータは、バックアップ時に「プロフィール情報をコピー」しなかった空の項目を加えることが確実です。下記がそのまま流用できるので、必要であればご利用ください。
「X-SD-DCREATED」、「X-SD-DESCRIPTION」は日付と時刻のデータで、復元時の名前として表示されるものにもなります。このまま利用でき、特に変更する必要はありません。
BEGIN:VCARD X-SD-VERN:1.0 X-SD-FORMAT_VER:2.1 X-SD-CATEGORIES:BACKUP X-SD-CLASS:PRIVATE X-SD-DCREATED:2015-06-01T00:00:00+09:00 X-SD-CHAR_CODE:SHIFT-JIS X-SD-DESCRIPTION:20150601000000 BEGIN:VCARD VERSION:2.1 X-CLASS:PUBLIC N: SOUND;X-IRMC-N: BDAY: ADR;HOME: X-REDUCTION: X-NO: TEL;CELL: EMAIL;CELL: X-DCM-HMN-MODE: X-DCM-DATALINKID: X-DCM-ADR: X-DCM-URL: X-DCM-NOTE: END:VCARD
このデータを「YYMMDD**.VCF」の先頭に貼り付け、ファイル名を「ADDRESS.VCF」として、microSDの次の場所に保存します。
microSD – PRIVATE\DOCOMO\BACKUP\SD_PIM\ADDRESS\
microSDをSH-07Fにセットし、「MENU」→「便利ツール」→「microSD」→「バックアップ/復元」→「本体へ復元」を実行すると、アドレス帳データが復元され、グループ設定が含まれていることが確認できました。
まとめ
スマートフォンに登録されていたアドレス帳を、手入力でフィーチャーフォン(ガラケー)である「SH-07F」に移していくのは現実的ではないでしょう。
Gmailの連絡先であれば、CSVファイルとしてエクスポートができるようになっているので、これを利用してSH-07F用のデータを作成していきました。
CSVデータを「vCard 形式(*.vcf)」に変換する必要があるため、「みーのぺーじ」で公開されている「Ggl2k」を利用し、インポートしてみるもグループ設定だけが反映されずに撃沈。
別の手段として「バックアップデータの復元」を利用し、変換した「vCard 形式(*.vcf)」の先頭にデータを追加することで、無事にグループ設定を含んだアドレス帳をSH-07Fに取り込むことができました。
FOMAとパソコンの通信ケーブルをお持ちの方は、ドコモが公開している「ドコモケータイdatalinkソフト」を利用すると、難しい手間なくアドレス帳データが移行できるかもしれません。
「ドコモケータイdatalinkソフト」は2015年6月30日をもって提供を終了することが発表されており、ソフトの配布も停止することになると思われます。
必要な方は今のうちにダウンロードしておくことをお勧めします。